兵士の手紙ときよしこの夜
さだ まさし(サダマサシ)
サイモン&ガーファンクルの「7時のニュース / きよしこの夜」という作品は、アナウンサーが世の喧騒を象徴するかのように政治や事件などのニュースをまくし立て、そのバックに厳かに「きよしこの夜」が流れる、というものです。

このスタイルを踏襲したのが、さだまさしの「兵士の手紙ときよしこの夜」。
ただ、サイモン&ガーファンクルの方は「それでもクリスマスはやってくる」というポジティブ解釈、「クリスマスでも社会は何も変わらない」というネガティブ解釈どちらもありでしたが、さだ作品のメッセージは明確です。
「きよしこの夜」のメロディをバックにさだまさしが朗読するのは、3人の特攻隊員が書いた本物の手紙。家族に宛てた最後の手紙。つまり、遺書。
「怖い」「嫌だ」といった言葉が一切出て来ないのがかえって哀しい。

死んでいったこの人たちに対し、我々は何をもって報いるべきなのか。
少なくとも、また同じ思いを味わう若者を作るだけの戦争行為じゃないことは確かです。
日々の報道を見てつくづく思います。武器は進歩したかもしれないけど、人間ってのはホント、進歩してない。情けないよ。

(2003/3/31)
さよならにっぽん
1999/2/26
(初リリースは1995年)
TECN-29525 テイチク
1 さよなら にっぽん
2 名刺
3 ステラ、僕までの地図
4
5 地平線
6 六日のあやめ
7 鳥辺山心中
8 銀杏散りやまず
9 兵士の手紙ときよしこの夜
10 青の季節

さよなら にっぽん