日本のクリスマス絵本
ご存知のように、クリスマスを題材にした絵本は数多くあります。
ですからもちろん絵本まではコレクションしていないんですが、ちょっと気に入ってる手元の2冊、ご紹介しましょう。
絵本というと、「命の大切さ」「親子の愛情の大切さ」「社会の基本的モラル」のような、子供に理解させたい「テーマ」が、普通あるわけです。
クリスマスジャンルでは、これにキリスト教の教えも加わります。
それらをわざとらしくなく、でも明確に伝える本が傑作で、押し付けがましい、クドイのが駄作ということなんでしょうが、オトナである私には、
そもそもそんな「てーま」があること自体が、くすぐったかったりするのです。
さて、そこで今回ご紹介するこの2作品。
2冊ともに共通する、私が気に入ったポイントは、もちろん一つは「絵」。
もう一つは、くどい「テーマ」が見当たらない、という点です。
「スズキコージ/クリスマス プレゼントン」
クリスマス プレゼントン
(2003/10/20 ブッキング)
スズキコージ(別名コージズキン)は、その独特の絵に熱狂的なファンを持つ画家です。
我が家にもこの本の他に「エンソくんきしゃにのる」があります。
この人の作品もう一つの大きな特徴は、あまりに素直な着想。
何しろクリスマスプレゼントのお話が「クリスマス プレゼントン」で、遠足のお話が「エンソくん・・・」だもの。
お説教めいたことは何一つなく、ひたすら愉快に話は進みます。
当初1979年に旺文社から刊行されたこの本は、その後絶版になっていましたが、「復刊ドットコム」により昨年めでたく蘇りました。
また品切れになる前に、クリスマス好きなら入手しておいた方がいいですね。
(2011/1/21追記:2009年にも再発売されたようです。めでたしめでたし。クリスマス プレゼントン
)
「五味太郎/てんしさまがおりてくる」
てんしさまがおりてくる―それはクリスマスのよるのこと
(1999/10/25 ブロンズ新社)
こちらは説明不要の、日本が誇る世界的絵本作家の作品。
副題は「−それは クリスマスの よるのこと」です。
「てんしさま」は出て来ますが、こちらの作品にも宗教臭さや説教臭さはありません。
連鎖するストーリーは、この人得意のパターン。
「今度はクリスマスをテーマにさらっと一冊描いてみました」といった、まさに名人の職人芸を見せつけられたような感じ。
この絵本紹介企画、パート2は多分ないと思います。はい。